調教で古馬をあおるなど抜群の動きを見せていたハクサンムーンが、単勝1.2倍の圧倒的一番人気に応え新馬戦を勝利した。前評判で厩舎サイドから「新馬とは思えない動き」といったコメントが出るなど、評判の高かったハクサンムーン。レースではあおり気味のスタートで後手に回り最後方となるも、ジョッキーが気合をつけると鞍上が抑えきれない程の手ごたえで瞬く間に先頭に立つ。向こう正面で早くもレースの主導権を完全に握ったハクサンムーンは、先頭のまま3コーナーから4コーナーを馬なりで回り、直線を向くとジョッキーが追い出すごとに鋭く加速し、後方の馬を置き去りにして、ゴール前では鞍上が手綱を抑える余裕のレースぶりでデビュー戦を完勝した。
日高町白井牧場生産のハクサンムーンは母チリエージェ、母の父サクラバクシンオーといった血統の2歳牡馬。今回勝利したハクサンムーンは母の初仔にあたる。同馬は白井牧場自慢の牝系であるゲランの流れを汲む血統背景の持ち主で、母チリエージェは、特別勝ち3勝を含め5勝を上げた快速馬。祖母メガミゲランも鋭いスピードを武器に北九州短距離SやアンドロメダSなど7勝の実績を残している。
類い稀なスピードの持ち主であることを証明した今回のレース振りは今後に大きな期待を抱かせるに十分な内容であり、アドマイヤムーン産駒からまた一頭、新たな期待馬が誕生した。