ダーレー・スタリオンコンプレックスにて種牡馬として繋養されていたディスクリートキャット (USA) は5月25日、病気のため死亡いたしました。
本馬は2歳時にサラトガ競馬場でデビューし勝利。その後ゴドルフィンに移籍し、サイード・ビン・スルール調教師のもと、3歳時に無敗の5連勝を達成しました。その快進撃はナドアルシバ競馬場で上げた2つの勝利に端を発します。特にUAEダービー (G2) において2着に6馬身差を付けたその内容は、まさに圧巻でした。さらに、アメリカに帰国後のジェロームH (G2) においては、2着に10馬身以上の差を付ける衝撃の内容で優勝しました。そして、現役生活における最高の栄冠は、アケダクト競馬場においてトラックタイレコードを叩き出し、世界チャンピオンの称号を手に入れることとなったシガーマイルH (G1) において訪れました。
現役引退後、ケンタッキーにあるジョナベル・ファームで種牡馬としてのキャリアをスタートさせた本馬は、G1勝ち馬Discreet Marq、Dads Caps、Secret Compass、シークレットスパイスらを含む62頭のステークス馬を送り出しました。また、シャトルスタリオンとして渡ったブラジルにおいては、G1勝ち馬Taksimを含む16頭のステークス馬が輩出しました。2017年から導入された日本においても多くの活躍馬を送り出し、京王杯2歳S (G2) 優勝馬オオバンブルマイやG1レース入着馬コンバスチョンなどが出現しました。
ハリー・スウィーニィ (代表取締役)
「今日は私たちにとって非常に辛い1日となりました。ディスクリートキャットは、14歳となってから日本で供用が開始されましたが、それでもブリーダーの方々に受け入れられ、これまでに750頭以上の繁殖牝馬を集めました。そして、産駒は日本競馬において合計2,000万米ドルを超える賞金を獲得しています。また、本馬はダートサイアーとして名を馳せてきましたが、今年のNHKマイルC (G1) において勝ち馬から僅差の3着となったオオバンブルマイに代表されるような芝のエリートホースをも送り出し注目を浴びていました。本馬はとても温和な馬で、私たちは彼と共に仕事をすることを喜びと感じてきました。本日のスタリオンコンプレックスは涙で溢れました。これまでの功績への感謝と安らかに眠って欲しいという気持ちで一杯です。そして、今日に至るまでサポートして頂いたオーナー、生産者をはじめ本馬に携わったすべての関係者にこの場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます」