産駒に確実にスピードを伝えるアドマイヤムーン。2歳馬は次々と勝ち上がる好調な走りを見せている。週末のJRA開催ではドーヴァーが無敗でひいらぎ賞に勝利しオープン馬となった。また、フルムーンソング、ロードスターが新たに2歳勝ち馬となっている。
ドーヴァーは12月19日 (土)、中山競馬場で行われたひいらぎ賞 (2歳・500万下・芝1600m) に1番人気で出走した。スタートを決めたドーヴァーは抜群の行きっぷりで、掛り気味ながらも直ぐに折り合いをつけると、逃げ馬を前に見ながら3~4番手の内、好位でレースを運び3コーナーを回る。4コーナー出口で前を射程にいれたドーヴァーは、直線でスパートし抜け出すと最後は内との激しい叩き合いをハナ差退ける勝負強さを発揮して勝利した。ドーヴァーはこれでデビュー2連勝。無敗でオープン入りを果たした。
ドーヴァーは母オルダニー、母の父Elusive Qualityという血統の2歳牡馬。本馬の半姉にはJRAで貴船S、UHB杯など4勝の現役馬ブルーストーン。近親には、95年のフィーニクスS (G1)、愛ナショナルS (G1) などに勝利し、種牡馬としても成功を収めるDanehill Dancerがいる。
ドーヴァー (2013年生・牡・栗)
馬主 H.H. シェイク・モハメド
美浦・伊藤 圭三 厩舎
日高町 ダーレー 生産
フルムーンソングは12月19日 (土) 阪神競馬場で行われた2歳未勝利 (芝1200m) に1番人気で出走。スタートから抜群のテンのスピードを生かして、外から一気にハナに立ったフルムーンソングは、終始先頭のまま4コーナーから直線へ。直線を向いても手ごたえに余裕十分のフルムーンソングは、残り200mで早くも後続を楽々と引き離し逃げ切り体制を固めると、ゴール前は抑える余裕すらみせる走りで、2着に1馬身半差をつけ勝利した。
フルムーンソングは母ギフトオブソング、母の父Unbridled's Songという血統の2歳牡馬。本馬の半兄ファイアフライはJRAで2歳新馬戦に勝利している。また、叔母のブライトアバンダンスは2005年のノーブルダムゼルH (G3)、2007年のマーシュアズリヴァーSなどに勝利している。
フルムーンソング (2013年生・牡・黒鹿)
馬主 H.H. シェイク・モハメド
栗東・中竹 和也 厩舎
日高町 ダーレー 生産
翌日の12月20日 (日)、阪神競馬場で行われた2歳未勝利 (芝1800m) にはロードスターが出走。最内からスタートを切ったロードスターは前に馬を置いて4~5番手で道中を運び、3~4コーナでは2番手の好位で直線へ。直線では残り200mで抜け出したロードスターは外の馬の追撃をハナ差退け勝利し、2歳勝ち馬となった。
ロードスターは母アークティックシルク、母の父Selkirkという血統の2歳牡馬。本馬の半姉にはユートピアS、パールSなど5勝、京都牝馬S (G3) 2着の現役馬ゴールデンナンバーがいる。また、祖母Cape Verdiは98年の英1000ギニー (G1) 勝ち馬。
ロードスター (2013年生・牡・栗)
馬主 H.H. シェイク・モハメド
栗東・中内田 充正 厩舎
日高町 ダーレー 生産
アドマイヤムーンは、国内外のG1を舞台に活躍した年度代表馬。産駒の活躍で今やマーケット・アピールを有するトップクラスの種牡馬として君臨。今年の高松宮記念 (G1) で2着となったハクサンムーンのみならず、3歳世代からもフミノムーン、ムーンエクスプレスなどクラシック戦線を賑わす産駒が出現。2歳世代からも、カンナステークス (OP) に勝利したボーダレス、コスモス賞 (OP) に勝利したラヴアンドポップを筆頭に注目馬が出現している。