コマンズ産駒のセン馬、父同様G3ミサイルSを制覇

南半球明け4歳のレインアフェア (Rain Affair) が8月6日、ランドウィックで行われた芝1200mのG3ミサイルSに優勝。父コマンズも2歳時に勝利したこのレースを、ステークスレース初挑戦にして見事制した。

いつもどおり逃げた本馬は、最終コーナーを周っても終始リードを保ち、最後の直線では圧巻の根性を見せ、迫りくる2着馬を短頭差凌ぎ勝利。勝ち時計は1:10.71。そして、僅か1馬身差の3着には同じダーレー種牡馬、ロンロ (Lonhro) 産駒のセン馬ピンウィール (Pinwheel) が入った。

7戦6勝2着1回の戦歴をひっさげて今回のレースに挑んだ本馬は、ここまで既にオーストラリアドルで$277,000の賞金をオーナー・ブリーダーであるDon Storey氏にもたらし、今回の勝利でさらにA$75,000を上乗せすることに成功。だが強調すべきは、ここまで地道にクラスを上げて来て、ここでついにブラックタイプを獲得したことであろう。

4歳セン馬のレインアフェアは、シドニー地区で勝ち星を挙げたオクタゴナル (Octagonal) 産駒、アイビリーヴ (I Believe) の2番仔である。しかしそのアイビリーヴ、息子の出現で突如有名になった訳ではなく、自身も生涯5戦して4勝した活躍馬であった。

オーストラリア競馬史上初、1シーズンに155頭もの勝ち馬を送り出す快挙を成し遂げた父コマンズは、当然ながら現在、勝ち馬頭数ランキングでトップの座に君臨している。G1勝ち馬のエレウォン (Erewhon) を筆頭に、G2ウィナーのソウル (Soul) や2歳のステークス勝ち馬であるアルター (Altar) およびアトミック (Atomic) を含む10頭のステークス勝ち馬を昨シーズンだけで送り出したコマンズは、その他にも29頭のステークス勝ち馬の父としてその名を刻んでいる。

まもなく始まる種付けシーズンをオーストラリア、ニューサウスウェールズ州にあるダーレー・ケルヴィンサイドで過ごすコマンズは、オーストラリアにおける不世出の大種牡馬デインヒルの他の後継種牡馬とも肩を並べうる存在である。過去3シーズン毎年G1馬を送り出してきた彼の種付料は来期、A$66,000に設定されている。